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イタリアンアートを初めてご覧になった

お客様からの質問で一番多いのは、

革の経年変化とそのお手入れ方法です。

 

今回は使っているうちに革がどのように変化するのか

私の経験をもとに、Q&Aでお話ししたいと思います。

 

子牛の革を使ったイタリアンアート革で、

 

 

#575846-#575847-3

 

 

一番多い質問は、

 

Q「すぐに毛が抜けてしまうことはないでしょうか?」ということです。

 

A「すぐに毛が抜けることはありませんが、

お財布などの小物を毎日使用して、3〜4年経つと

部分的に抜けている、ということはあります。しかしながら、

抜けても下に色が付いていますので、あまり気にせず

そのまま使っていただくことができます。」

 

Q「他に変化する部分はありますか?」

 

A「毛の部分をレザーカットして色をつけたところが、

使っていくうちに手垢や空気などにより、

馴染んで落ち着いた色に変わってきます。同時に革も柔らかくなってきます。」

 

 

Q「イタリアンアート革の中で、特に変化が激しい柄や色はありますか?」

 

A「柄を作る方法はふた通りあります。一つは柄を削るやり方。こちらの代表は、

レオパードフラワー柄です。

 

レオパードフラワー ブルー&パ―プル Leopard Flower Blue&Purple

 

そして、もう一つは柄以外の部分を削るやり方で、カサノバなどです。

 

materials_itarian_pic05

 

柄以外を削った方が、塗らなければならない部分が多くなるため、

全体に色が変化していくことが予想されるため、

カサノバのように塗料でなく、箔をつける方法にすることで、

色が変化しないようにしています。

 

比較すると前者のやり方で

薄い色が汚れやすいと思います。白の革が汚れが目立つ

というのと同じです。」

 

Q「雨の日の使用は避けたほうが良いですか?」

 

A「はい、大雨の時はなるべくお使いいただかない方が

よいと思います。ですが、今年の新作より、革には

パールトーン加工=撥水加工を施していますので、

急な雨にも心配することなくお使いいただけます。」

 

Q「一度変化した色は塗り直しなどができるのですか?」

 

A「はい。先ほど薄い色ほど汚れが目立つといいましたが、

その部分をリカラーで上から色を重ねることができるように

なりました。ただ、同じ色を塗っても初めの色の雰囲気とは異なり、

少し光沢感を感じます。」

 

Q「お手入れ方法で気をつけることはありますか。」  

 

A「特にありません。 

 革は湿気を嫌がりますので、たまに空気に触れさせて下さい。

使ってあげるのが一番です。

お使い終わったら、バッグの中に紙を入れ形を整え、外袋に

入れてから正しい姿勢で保管してください。」

 

革は変化するものですので、経年変化を楽しみながら、

永く使っていただきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

私は新作を考える時、

この商品をどのような方が持ってくださるか

ということを意識しながら進めています。

 

お客様とお会いする機会があって

デザインをしていますので、より

リアルにお客様を思い浮かべながら

制作活動ができています。

いろいろなご意見を伺うことが次に

つくるものへのアイディアになりますので

貴重なご意見をありがたいと思っています。

 

デザインする際、 

出来るだけ多くの方に喜んでいただきたい

と考えると、無難で癖のないものを

つくることになり、

 

たくさんの方に当てはまらなくても

これをつくりたい、と思うと

自分の世界にどんどん突き進んでしまいます。

 

デザインをしている誰もが、両者のバランスを

とりながらものづくりを進めているのだと思いますが、

 

忘れてならないのは、

私がつくるものは

最終的にお客様のものになる

ということです。

 

ですから、

ずいぶん考慮した箇所を、ここがあまり好みでない

と言われれば、そこを変更することで

お客様らしいものに変えていきます。

 

既製品を少しだけ変更することで

らしくなる、

ということはたくさんありますので、

 喜んでいただくと

本当にうれしくなります。

 

 

 より自分らしいバッグをつくりたい方には

オーダーメイドをおすすめしています。

 

バッグに自分を合わせるのではなく

自分に合わせたバッグをつくるのが

オーダーメイドです。

 

 

オーダーメイドのお客様からは、

 

「素材を選んだり想像するのが楽しいです。」

 

「出来上がるまでワクワクします。」

 

「想像していたよりも素敵なものになり、本当に嬉しいです」

 

「毎日眺めています」

 

とおっしゃっていただいています。 

 

たくさんのお褒めの言葉で元気をいただき

 

ものづくりは楽しい

 

と感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつも心がけているのは、

これまで自分が見たことのないものをつくる、

ということです。

 

分類すると、

 

ありそうでないもの

 

誰もやらない と思われるもの

 

この2つに分かれると思います。

 

 

ありそうでないものづくりをするポイントは、

 

素材選び

色づくり

バッグの形やつくり方

 

いずれかに

新しい試みを取り入れることです。

 

出来上がった商品は、発表後、

お客様から様々なご意見をいただきます。

 

よいと言っていただいた商品は、定番化され、

さらに発展していきます。

 

 

M-0321GN

 

 

例えば、アイコンバッグは初めは

大きなサイズをつくっていました。

 

お客様の様子を見ていうちに、

もう少し小さいサイズがあってもよいのではないかと思い、

つくりはじめました。

 

また、さらに小さいものもつくってみよう

ということで、3サイズを展開することになりました。

 

いずれのサイズも好評いただき、

素材、色を組み合わせると種類が幾多にも及び、

楽しくお選びいただけるようになりました。

 

M-0286PK

 

お財布ポシェットは、

初めは小さいサイズをつくっていました。

 

ある日、横長で大きめサイズがあれば欲しい、

とおっしゃるお客様のご意見をいただき、現在のデザインを

考えました。

 

M-0427BL

 

 

好評いただいたバッグが進化したり

発展したり、つながることができるのは、

お客様から貴重なご意見をいただけるため

と感じます。

 

M-0505BLPP

 

 

 

新作のリスカリュックサックは

おかげさまで好評いただいています。

 

これから何か進化や発展があると

うれしいです。

 

マユミコンドウを手にとってくださる

お客様からいつもおっしゃっていただくのは、

流行に左右されないということです。

 

 

ご支持いただけるデザインは、

封印することなく

いつまでもつくり続けたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他にない素材を追求しているうちに、

柄もののバッグや小物が増えてきました。

 

きっかけは、

イタリアンアート素材との出会いでした。

 

以前のブログにも記しましたが、初めてイタリアンアート素材を見た時は

言葉にできないくらいの衝撃を受けました。

 

 

#575846-#575847-3

 

子牛の革を使って色を染め、

 

 

#575846-#575847

 

柄部分を削って

 

リスカ ベージュ Lisca Beige

 

 

そこに色を塗る

 

 

この技術を考え出したのは、イタリアのタナリーのオーナーであり

デザイナーでもあるマシモ氏です。

 

私はこの出会いによって、柄ものをどのように使うと

美しい商品が出来上がるかを考えるようになりました。

 

 

イタリアンアートの柄はマシモ氏が考え、

色の配色は私が考えてオーダーしています。

新作の商品に使っている革も

 

 

 

レオパードフラワー ブルー&パ―プル Leopard Flower Blue&Purple 

カラフルだったり

(レオパードフラワー ブルーパープル)

 

 

リュックス

 

 ゴージャスだったり

(リュクス)

 

 

リスカ 黒 Lisca Black

 

ユニークだったり

(リスカ)

 

同じようなイメージのものに偏らないよう、

考えて発表しています。

 

イタリアンアートと出会った後、

金唐革を扱うようになりましたが、

どちらも独特な世界観と素材感を持ちあわせた素材ですので、

特徴を知ることに時間をかけ、

つくり方を考えました。

 

柄取りにもずいぶん気を遣っています。

 

一枚の革からお財布などの小物をつくる場合は、

柄の一部分を取り出しますので、個体差があります。

大きな革の一部分を使用しますので、仕方ありません。

 

 

そんな時、気をつけていることは、革1枚で見た時の印象と

バッグや小物をつくった時の

印象が同じになるよう柄を合わせることです。

 

 

革に色を5色使っていたら、

それがすべて入るように柄を取る、

 

規則性のある柄であれば、

垂直方向や真横方向に曲がりのないように柄を取る

 

など工夫しながら進めます。

 

そうすることで、

個体差がそれぞれ素敵な個体差になっていきます。

 

出来上がった商品を並べて、

それぞれが美しく見えた時、

とても充実した気持ちになります。

 

また、個体差のチェックをするために、

ものづくりをする前に革の写真を撮って、

組み合わせるとどのように見えるか

あらかじめ検証するようにしています。

 

 

こうして出来上がった商品を見た 

お客様から時折、

柄もののバッグは服装に合わせるのが

難しいのではないでしょうか?

 

という質問をいただきます。

 

柄もののバッグをつくる前の私はきっと

明確な回答ができなかったと思います。

ですが、今は、オススメの合わせ方があります、

とお答えできます。

 

まず、単色でまとめた服装に合わせます。

 

そうすることでバッグが目立って、

一気に華やかになります。

 

次にバッグの中にある色を

2色以上使ったコーディネートをします。

 

きっと周囲の方に、バッグに合わせて

コーディネートしていることを

気付いていただけると思います。

 

最後に柄もので、バッグと同じ色合いのものを

使った服装のコーディネートをします。

 

きっと、ため息と同時に、

とってもおしゃれですね、と言われます。

 

これらは、私がお客様のコーディネートを見せていただいて、

感じたり思わず漏らした言葉です。

本当にたくさんのことを学ばせていただきます。

 

 

これからも柄ものの魅力をお伝えできるよう

チャレンジし続けたいと思います。

 

 

 

 

ミニ財布が人気で、とてもうれしいです。

 

 0329

 

 

 

 

MS-0329BUPP--002

このお財布は、小銭はオープン式で、 

 

 

MS-0329GN--04

 上部ポケットに、二つに折り曲げた紙幣が入れられ、

 

 

 

MS-0329PK--002

後ろのポケットには、カードが5枚くらい入ります。

 

 

このデザインはこれまで、

イタリアンアートだけでなく、

クロコダイル、オーストリッチ素材でも

 明るめからダークな色まで

たくさんつくってきました。

 

私自身は、イタリアンアートとクロコダイルの二つを

持って、取り替えながら使っています。

 

突然ですが、このお財布の画像を見て、

どう感じられますか?

 

このようなお財布は見たことがない、

とおっしゃる方と

 

同じようなデザインのお財布はたくさんある、

と思われる方がいらっしゃるかもしれません。

 

 

おそらく前者は、素材のことを指して

そうおっしゃっていて、

後者は、お財布のシルエットのイメージや

使用方法を指してそう思われているのではないでしょうか。

 

 

今回は後者の、一見同じようなもの

についてお話ししたいと思います。

 

私は、オリジナルの素材を

つくることからものづくりを始めています。

 

ですので、先ほどの前者のように、

このような素材は初めて見ました、

とか、クロコダイルでこの色は見たことが

ありません、

とよくおっしゃっていただきます。

 

それに対して 

バッグやお財布の形は

一見似たように思われるものが数多くある、

と思っています。

 

確かに似て見えますが、

手に取って触ってみたり使ってみると

違いがあることがわかっていただけると

思います。

 

サイズ以外の

つくり方は様々です。

それはブランドによって考え方が異なるためだと

思います。

 

 

商品の風合いを決める固さをどのようにするか、

ステッチを見せるか見せないか、

ポケットの位置や深さなどをどのようにするかなどなど、

ポリシーに合わせてものづくりを進めていきます。

 

 

私の場合、素材選びや色づかいなどは瞬間で

思いつくことができますが、

つくりの部分は理想を形にするために、かなりの

時間をかけています。

 

ひとつの商品を完成させるためには、

模型を作成し、ディテールを確認した後

職人さんと何度も何度も

話し合いながら試作を繰り返し

完成させています。

 

ミニ財布は、

コンパクトながら収納力があり、

それぞれのポケットからものが出し入れしやすいよう

計算し、柔らかくつくっています。

 

小さくてもたくさん入れられる、

軽くて柔らかい、

 

そこにはmayumi kondoの考え方が

詰まっています。

 

一見同じように見えても

同じものはない

ということだと思います。

 

 

 

このミニ財布が好評な理由が、

素材と使いやすさの両方だとしたら、

こんなうれしいことはありません。

 

 

 

バッグを修理やリフォームした経験はありますか。

 

 

 

お客様にお聞きしますと、修理以外のリペアについて

ご存知ない方が多いようです。

 

今回は、ホテルニューオータニのショップで

様々なリペアをお受けした

 お話しをしたいと思います。

 

 

リペアにはいろいろな種類があります。

 

  1. 1.壊れた箇所を修理する

 

一箇所でも不都合を感じたら、早めに

相談いただくのがおすすめです。

 

バッグで最も壊れやすいのは、手ひもやショルダー部分、

ファスナー部分だと思います。

他の箇所に比べ、手に触れて使用頻度が高いというのが原因です。

交換するなどの方法で修理をすると再びお使いいただけます。

 

2.使いやすくするために修繕する

 

デザインは気に入って購入したものの、

ショルダーが長すぎ使いにくい

手ひもが短くて腕にかけられない

などの理由で使えない。

 

そのような時、ご自分の馴染んだ使用法に合わせるために

一部を修繕するのもリペアです。

 

私はデザイナーとして、自分が考えたデザインを発表することと、

使っていただくお客様のご意見に合わせおつくりするオーダーメイドの

二種類のお仕事をさせていただいています。

 

オーダーメイドでおつくりする際、お客様のご意見は

本当に様々です。

 

既製品を少し自分らしく修繕することで

オーダーメイドのようなバッグになると思っています。

 

3.色あせたバッグをリカラーする

 

主にオーストリッチ素材が対象で、色あせたバッグに色を塗る

リカラーもリペアの一つです。

 

色を塗ることで新品同様に蘇ります。

もう一度使えるようになったと

大変好評いただいています。

 

しかしながら、職人さんは色塗り作業に

とても気を使うとおっしゃっています。

センスと技術の両方が求められる作業を

やってくださる職人さんには大変感謝しています。

 

 

4. 帯や毛皮を壊してバッグをつくる

 

もったいなくて捨てられないものが家の中にありませんか。

 

使わないけれど、素材がよいので捨てられない。

形見の帯をバッグにして使いたい。

など、リフォームの相談をいただきます。

 

簡単なトートバッグなどをおつくりしますが、

素材が素敵な分、シンプルにつくるのが

おすすめです。

 

5.デメリットをメリットに替える

 

こちらも使えなくなったバッグのご相談でした。

キャンバス素材にカビが生えて変色して

いて使えないとのこと。

 

きちんとしたデザインのバッグで、

捨ててしまうには惜しいのでどうにかできれば

とのことでした。

 

一度変色した布地を元に戻すことはできませんので、

私がデザインした、革で切り抜いたお花柄のシートを

キャンバス部分に貼りつけました。

 

変色もカバーすることが

でき、楽しいバッグにうまれかわり、とても喜んで

いただきました。

 

 

 

このように、お客様の大切なバッグをお預かりして

リペアをさせていただいています。

 

どれも決して簡単な作業ではないことを

お客様にご説明をし、

それぞれの職人さんが丁寧に作業を行っています。

 

 

お渡しする時、驚いたり感激されたりする瞬間が

とてもうれしいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひとつのバッグをつくる際、いろいろなことを選択しなければなりません。

 

それは、mayumikondoらしさをつくりだすための選択だと思います。

 

 

シンプルなデザインで素材のよさを活かしている、

色がきれいで思った以上に服装に合わせやすい、

飽きがこないので、年齢に関係なく永く使える、

楽しくてワクワクする、

重すぎて疲れることがない、

ありそうでない、

 

よくおっしゃっていただく、らしさ、というのはこのような感じでしょうか・・。

 

らしさは、目に見える部分と見えない部分とに分けられると思います。

 

素材選びや色選び、サイズなどは目で見てわかる部分です。

持った時の気持ちや使いやすさ、重さなどは、

使用しなければわからない部分です。

 

 

 

素材や色づくりはいつもブログで紹介していますので、

今回は目に見えない持ちやすさへの工夫の話しをしてみたいと思います。

 

 

私はバッグの重さについて、800gを超えると

1日持ち歩くと疲れると感じます。

 

中にものを入れると1キロを超えてしまいますので、

身体のことを考えると、なるべく疲れないでいられる

ものづくりが必要と思います。

 

 

重さの原因は、革素材の裏側に硬い芯を貼ることです。

そうすることで、頑丈で長持ちするバッグに仕上がります。

 

軽いバッグをつくるには、

裏の芯を貼らない(もしくは、薄い芯を貼る)ということに

なりますが、

頑丈なバッグに比べ、永く使う事で革が柔らかくなり、

見た目も多少変わっていきます。

 

 

頑丈さを取るか、軽さを取るか

 

 

私の答えは、

 

 

デザインによって多少異なりますが、

重すぎて持ちたくなくなる=出番の少ないバッグにならないため

風合いを損ねない工夫をしながら、ギリギリまで軽くなる努力をする、

ということです。

 

 

素材全体に薄くて軽い芯を貼り、

持ち手をはさむ部分や底を固くすることなど、

壊れやすい箇所や重さがかかる部分を強化することで、

軽さを実現させています。

 

 

 

持ちやすさのためには、

 体にフィットするデザイン

 同じ重さでも軽さを感じられるデザイン

 

ということを心がけています。

 

具体的には、

ショルダーひもの幅や長さ、

持ち手の太さや形状、芯材、ステッチのかけ方、つける位置など、

ディテールにこだわりながら、見た目もよくなるよう考えています。

 

 

見た目は素敵で色や素材感も気に入っているけれど、長時間持つと疲れる、

持ちやすさはあるけれど、見た目がもうひとつしっくりこない、など

残念なことのないよう

 

試作を何度も繰り返し、見ても持ってもうれしくなるような

ものづくりを目指し、らしさの追求をしています。

先週、ショップチャンネルさんで金唐革のバッグや

小物の紹介をさせていただきました。

 

金唐革を初めて知りました、

これほどのものを見たことがなかった、素晴らしいですね、

など、多くの反響をいただき本当にうれしく思います。

ありがとうございました。

 

金唐革作家 徳力康乃先生による作業工程や柄・色の紹介は、

サイトのMaterials ページに載せていますので、ご覧ください。

 

サイトに載せていない、ショップチャンネルさんでも

お話ししました、金唐革の歴史をここでお伝えします。

 

500年前、サンドロ・ボッティチェリによって

考えだされた壁画装飾、cuoid’oro(金唐革)は、

メディチ家をはじめとする貴族や権力者によって受け入れられ、

またヨーロッパ各地の宮廷や寺院の壁を飾りました。

 

その後、建築物の建替えや修理を期に剥がされ、

明治の初めに日本人が持ち帰り、金唐革と

呼ばれるようになりました。

そして金唐革は、煙草入れなどの小物に仕立て直され、

商人、大名の間で大流行したそうです。

 

昭和に入り、京都の徳力彦之助、康乃先生が、

当時の金唐革を偶然目にし、とても魅力を感じ、

革の種類・鞣し方・厚さ、使用された合金泊の

含有物資や構成比・厚さ、制作方法などを研究され、

当時の実態が明らかになり復元に導くことに成功されました。

 

私が金唐革と出会って10年くらいの時が経ちました。

強い魅力を感じ、私にしかできない

金唐革のバッグをつくろうと思い、配色や柄合わせ、

バッグのつくり方などにこだわって今日まできました。

 

ボッティチェリが考えつかなければ

目にすることができなかったcuoid’oro

その革を見かけることがなければ、

徳力先生による復元もあり得なかった金唐革

歴史は偶然からはじまり、つながっていくものだと感じます。

 

 

いつ見ても飽きることのない、この素晴らしい

金唐革という素材を大切に思い、

これからも私なりの解釈で、

後世に伝えていただけるような

ものづくりを追求していきたいと思います。

バッグは本来、ものを入れ持ち運ぶるために

あるのかもしれませんが、

 

私は何も入らなくてもただ身につけていたい、

と思えるものが大好きで、

定期的にそんなものづくりをしたくなります。

 

本当に小さなバッグや小物、

 

形がユニークなバッグや小物、

 

これまでたくさんつくってきました。

 

この仕事をはじめてから何年経っても

これらをつくりたくなる気持ちは変わりません。

 

正統派のバッグをつくっている中、

違う発想のものづくりが

したくなるのだと思います。

 

実用から離れることは、

気持ちに訴える何かを持っていなければならない

と思います。

 

何かというのは、その時々により違っています。

 

 

ある日思いついた数々のイメージ。

実現しないものもたくさんあります。

 

素材の組み合わせだったり、色合わせだったり、

その時の自分の知識を込めつくります。

 

つい先日、そんな思いでつくったバッグに

久しぶりに再会しました。

 

 

太陽バッグです。

 

IMG_1305

 

 

 

手で持つだけだったバッグに

ショルダーストラップをつけて欲しい、

と所有されているお客様が持って来られました。

 

 

IMG_1301 

 

 

約10年ぶりの再会でしょうか。

懐かしさと、

よくこんなものをつくったという思いと、

意外にいろいろ工夫しているという驚きと、

 

様々な思いがこみ上げました。

 

そして、大切に使っていただいていることにも感謝です。

 

せっかくの再会だからと、

ショルダーストラップが出来上がってから

イメージ画像もつくってみました。

 

_DSC7063

 

 

 いろいろ想像力が巡ります。

 

時折、お客様やスタッフから、

このようなバッグをもっとつくって欲しい、と言われます。

ものの溢れた時代だからこそ、必要なのかもしれません。

 

持っているだけで幸せを感じる、心のためのバッグ。

何だかワクワクしてきました。

昨年末、尊敬していた職人さんが亡くなってしまいました。

 

体調が優れず、しばらく休養されていましたので、

たまに連絡をして様子を伺っていたのですが、

あまりにも突然のことでした。

 

今でも信じられません。

 

私はその職人さんと接する中、たくさんの会話をし、

”ものをつくる姿勢”を学ばせてもらいました。

 

とにかく自分に厳しく、決して妥協することがなく、

いつもお客様の目線で、相手に喜んでいただくためにどうすればよいか、

つくりの点で熟考し、追及する方でした。

言葉は少ないけれど、物語る、そんなものづくりです。

 

深く考えられつくられたものは、一瞬見ただけでは気がつかないことを

眺めていたり使ったりする中で気づいたりします。

 

美術館に同じ作品を観るために何度も足を運びたくなる、

ということに似ていると思います。

 

とても時間をかけて考え悩み、答えを出して、楽しんでとりかかる、

後は、夢中で集中すれば結果が生み出されます。

 

 

先日、職人さんのお仕事場に伺いました。

そこには当然職人さんはいませんが、整然とした仕事場には

以前と変わらない、いつでも仕事がはじめられる

ピシッとした空気が流れていました。

 

ハサミや包丁など、これまで一度も触らせてもらったことのない

道具に触れ、驚いたのは、

全てが綺麗に磨かれ、研いでいて、切れ味や使いやすさに不備がなく

きちんと準備されていることでした。

 

なかなか気持ちの整理ができないまま数ヶ月が過ぎていますが、

今、職人さんにつくってもらったものを眺め、触れ、

教えていただいた数々のことを胸に、

これからもものづくりを続けていきたいと思っています。

 

 

そして、このような素晴らしい出会いや勉強させてもらったことを

忘れることなく、次世代の方々に伝えていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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